かわちゃん紀行

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zoom RSS 相棒回収と、嘘つく人々。

<<   作成日時 : 2012/05/02 12:09   >>

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何かの物音で、真っ暗な部屋で目が覚めた。

朝なんだろうか、夜中なんだろうか。

とりあえず体を起こしてみる。

そういえば窓もない奥まった場所にあるこの部屋しか空いていなくて、仕方なくここに泊まったんだったっけ。

そりゃ朝が来ても光は入ってこないわなぁと納得してから、手探りで裸電球の頼りない明かりをつけた。

その光の下で見たものは、昨夜施錠したにも関わらずフルオープン状態のドアだった。






えっ…。






さすがにびっくりして、かけたはずの鍵穴をよくよく見てみると、どうやら鍵はとっくの昔から壊れているみたいだった。

まじかいな。

よくこんな部屋を貸すよな〜と、改めてラテンという土地柄を思い知らされる。

一応念のため貴重品や荷物もチェックしてみたけれど、幸い何も被害は無いようだった。

良かった。

貴重品も体も無事だったことに感謝しつつ、とりあえずロビーへ直行して空港へ電話をかけることにした。




私;「すみません、昨日のコロンビアからの便で空港に荷物が届かなかった者ですが、○○さんか●●さんにかわってもらえますか?」

スタッフ;「ちょっと確認するわね。…残念だけど、○○はまだ来ていないし●●今は寝ているわね。あと、そうね〜、2時間後くらいに電話してもらえないかしら。じゃあね、チャオ。(ガチャッ)」





…ん?





聞き違いなんやったら悪いんやけどさ、今さ、寝てるって言ったよね?





いやいやいやいや、さすがにおかしいって。





来てない方はええけどさ、そこは起こそ!






はぁ…。

こんなことをカスタマーにしれっと航空会社の人間が言えてしまうラテンアメリカ。

ほんとに凄いところである。

私は受話器を下ろしながら、ラテン人の面の皮の厚さに対して、何度目かの『天晴れ』を送った。




すぐにでもどうにかしたい気持ちではあったのだけれど、あと2時間は電話しても駄目そうだったので気を取り直して時間つぶしに散歩でもしてみることにした。

暖かい服を持っていないのが心配だったのだけれど、太陽が燦々と降り注いでいるこんな日は、日中だと薄着でも問題ないみたいだ。

山沿いに広がるこの首都の旧市街は、坂が多く、どこまでも続く石畳が美しい。

植民地時代の面影を色濃く残した、まるで歴史に置いていかれてしまったかのような建築物が、青い青い空の下で、重々しく佇んでいる。

少し立ち止まって見ていると、そんな通りをカラフルな衣装を身に纏ったインディヘナの女性が足早に通り過ぎていく。

コロンビアとは随分違う南米らしい光景に、『旅をしている』って気分がにわかに盛り上がってくるような感覚を覚える。

物価も随分安いみたいだ。

旧市街はかなり治安が良くないとは聞いていたものの、日中歩いている分には、コロンビアの都市のようなピリピリした雰囲気は感じられなかった。

トラブルから始まったこの国、これからどうなるんだろう。

そんな少し不安な気持ちも、街を歩いていくうちに、抜けるように青い空や人々の活気がかき消してくれるようだった。




しばらくして宿へ帰ってから、もう一度空港へ電話をしてみることにした。

もうほとんど覚えてしまったTACA航空のオフィス番号を押して、受話器を耳にあてる。

けれど、今度はいくら待ってみてもおかしな音しか聞こえてこない。



おかしいな…。



一度受話器を置いてかけ直してみても同じ。

時計を見てみると、13時過ぎだった。

そういえば2時間後に電話しろって言ってたけど、この時間ってまさかシエスタ(昼寝休憩)なんじゃ…。

宿のスタッフに確認してもらったところ、すぐに受話器を置いてこう教えてくれた。





スタッフ;「シエスタだよ。しばらく繋がらないんじゃない?」





ヤ、ヤラレタ…。





もう私の荷物は返ってこないんじゃないか。

二度とあの愛しい相棒に会えないんじゃないか。




そう本気で思い始めた14時過ぎ、ちょうど見ていた携帯のディスプレイになんと新着メールの絵文字が表示されたのである。

差出人は空港の職員からだった。

慌ててメールを読んでみると、「荷物が届いたから、○時までに早く空港まで取りに来てポルファボール(下さい)。」とのこと。






よっしゃーーーーーーーーーーー!






謝罪の言葉がどこにも見当たらないことには突っ込みたくなったけれど、そんなこと今はどうでもいい。

急いでタクシーを飛ばして空港へと急ぐ。

タクシーが空いた道を走ってくれたおかげですぐに空港には行けたものの、到着してからが長いのなんのって。

指定されたカウンターに行こうと空港職員や警察に尋ねても、一人残らず嘘ばっかりついてくるのである。

もう勘弁して…。

空港到着後から小1時間にも及ぶたらい回し地獄から何とか抜け出した私がカウンターにたどり着いたのは、随分余裕があったはずなのに集合時間ギリギリだった。

間に合ったことにほっとして辺りを見回してみると、そこには既に20人弱の人が列を作って何かを待っているようだった。

まさかな、そう思ってよく見てみると、みんな私と同じような黄色いトラブルレポートを手に待っているのが目に入った。




さすがにそれは…ね。




そう思って15分程待っていると、だらだら歩きながら係員がやってきてこう叫んだ。





係員;「はいはーい、レポート持って荷物取りにきた人はこちらへどうぞー。」





一人残らず動き出す、列の人々。

おい、まじか。

なんぼなんでも失くしすぎやろTACA航空…。

ここまできたら逆に凄い。




妙に感心した気分の私を含め、ぞろぞろとトランクルームへ向かうロストバゲッジ御一行様。

あってはならないはずのすごい光景。

日本じゃ考えられない。

目が合った隣のおばさんは1週間以上も連絡がなかったそうで、さすがにぷりぷり怒っていた。

そりゃそうだわ。




そしてさらに待つこと数分。

みんなが見守る中、ついに係員がトランクルームの扉を開けた。

全員が見つめる視線の先には、びっくりするぐらいぎゅうぎゅうに詰まれた荷物の山、山、山。

何人分あるのか、見当もつかない。




いやいや、どんだけよ…。

トランクルームの光景に若干圧倒されながら、スーツケースが雪崩を起こさぬように私は自分の相棒をゆっくりとひっぱり出した。

そしてバックを労わるように破損がないかチェックをする。

「おかえり。」

愛しい7年来の相棒に、ようやく会えた瞬間だった。

たったの一日だったけれど、バックパックの重みに懐かしさすら覚えた。




無事相棒を回収した後、しっかりと彼女を背負い直した私は急いで税関を抜け、チケットのリファンド申請をしにアビアンカ航空オフィスの列に並ぶことに。

幸いまだ営業時間内みたいだった。

安心して、並ぶこと10分。

ようやく手続きが出来る。

トラブルもこれで終わりかなとカウンターに差し出した私のチケットを見るなり、アビアンカのおばさんはこう言い放ったのである。






おばさん;「何?リファンド?ここじゃ出来ないワ。プリンシパルオフィスに行かなきゃ出来ないことなんで知らないのヨ。」






えぇ・・・。



ええぇぇぇぇぇーーーーーーー!!!











ラテン人の嘘つきーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!










もう泣けてくる。

改めて言うけれど、コロンビアのアビアンカ職員はキトの空港内のオフィスで出来ると何度確認してもそう言っていたのである。

なんでみんなほんと嘘ばっかり言うのだろうか。

基本的に優しくて陽気で大好きなんだけれど、彼らの適当さにはいつも泣かされる。

まだまだ終わらない想定外のトラブルにボーゼンとしながら、リファンド出来るか怪しくなってきた1000ドルのチケットを握り締め、私は宿へ帰らざるを得ないのだった。






はぁ…。

でも。

まぁ。

いっか。

荷物あったし。

なんとかなるでしょ!






空港からの帰り、タクシーの後部座席で相棒と並んで座る私の頭の中は以外にこんな調子で、ラテンアメリカ人仕込の楽観主義は、私が思っているよりずっと身についてきてしまっているみたいだった。





次回に続く。


画像

(美しいプラザ、昼の姿。)

画像

(ラテンアメリカの人は、子供の夢とか気にしない。)


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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
プーさんが!プーさんの中の人がっ!!
まー、暑かったんですよね。おつかれさまです。
かわちゃんも相棒回収おつかれさまでした。読んでいるだけでココロ折れる・・・。
嘘つかれるのもココロ折れる。でも嘘って概念が文化によって違うとか。知らないと言うより(不確かな情報でも)答えるほうが善だとか、っていう考えだとか。
でも知らないなら知らないと言ってほしい。
今回の読むと飛行機の荷物、預けるのが怖くなります。
来週韓国ソウルにちらっと行ってきますが、もちろん機内荷物だけにしよう。そうしよう。
1000ドルチケットの行方も心配ですが、抜けるような青空もさすが南米。これからもいい旅になりますように。
ふま
2012/05/03 08:31
>まさあきさん
プーさん、ほとんど顔だしたままでした。w
相棒に無事会えたときは本当に嬉しかったですよ。さすがに愛着ありますからね。
確かに、嘘というより不確かだけどプライドから自身を持って言っちゃうんだと思うんですが、道尋ねたりしても永遠に着かないことあるんですよね…。w
ソウルいいですね!ごはんもおいしいですし☆
お気をつけていってらっしゃい!荷物お気をつけてっ。
かわちゃん
2012/05/03 20:23
かわんちゃ、お久しぶりです。
元気そうでなにより!
ラテン・・・すごいな。
帰ってきたらぜひ連絡ちょうだいね☆
たのしんで♪
ひゃく
2012/05/04 22:08
>ひゃく
ひゃくーーーーー!元気にしてるかぃ?
コメントありがとう。
わたしはご覧の通り、色々あるけど元気にしているよ☆
日本帰ったらいっぱい話しよう!どこにでもいくよ!
かわちゃん
2012/05/06 02:00
あのおっちゃんはその人数分あのコントを繰り広げたのかどうかが一番気になります(笑)
たく
2012/05/06 19:15
>たくちゃん
どやろなぁ、他の係員やったらもうちょっとマシだったのかは気になるところ。ただ、あの日ロストされてたのは、2,3人いたから、その人らは間違いなくあのおっちゃんの餌食になってるはず。w
かわちゃん
2012/05/07 08:46

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