かわちゃん紀行

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zoom RSS おばあちゃんのリズム。

<<   作成日時 : 2012/01/29 05:21   >>

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この日はハバナに一ヶ月パーカッション留学をしにきている日本人のお兄さんに色々連れて行ってもらうことになった。

こういう出会いって本当に旅の醍醐味。

まずはサルサのレッスンへ。

せっかくだからこっちでも学びたいという気持ちがあったから、紹介してもらうことにした。

マキナに乗って、海沿いのお家へ。

出迎えてくれたのはなんと日系人のおばあちゃん。

その方の親戚が先生をしているという。

先生はまだ歳は若いけれど、ダンスの学校を卒業しているプロフェッショナルだ。

レッスンを見せてもらうと、さすがプロ。

全員ダンサーなんじゃないかと思うくらいみんなダンスが上手いクバーナの中でもやっぱり体の動きが違う。

ハバナではこの先生に習うことに決め、お母さんのおいしいおいしい手料理を頂いた後、レッスンの予約をしておいとますることにした。



その後はそのお兄さんが、パーカッションを習っている場所へ連れて行ってくれるとのこと。

どんなとこだろうと思ってハバナビエハ(旧市街)の路地を入っていくと、家々の隙間の中庭のようなところに出た。

そこではコンガ、カホンなどの打楽器を並べてもう既に何人もの人が練習をしていた。

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洗濯物がはためく下で、リズムを合わせるパーカッショニスタ達。

その横で、近所のおばさん達はタバコを手にラムを飲みながら踊り、おむつをはいた子供が音に合わせて体を揺らしている。



「あぁ、こうやってキューバ人はつくられるんだな。」



見ず知らずの日本人の私にも、ラムを勧め、一緒に踊ろうと誘ってくれる。

ルンバのリズムを私はここで初めて知った。

少し酔っ払った陽気な黒人のおばさんは、私を誘う。



「腰と体の動きのコンビネーションが大事よ。ほら、やってみな。」



目で、体で、踊ろうと誘う。



初めて知ったルンバのダンス、全く様にはなっていなかったと思うけれどすごく楽しかった。

練習が終わってからも、例に漏れず大音量でサルサなんかをかけ続けていて、私はここでも何人もの人と踊った。

ふと見上げると、少し暗くなりかけているけれどまだまだ青い空に、真っ白い洗濯物がひらひらと風に吹き上げられていた。

「絶対楽しい旅になるな。」

ほとんど確信に近い気持ちだった。




この日の夜から、私は毎晩の様にハバナのあちらこちらに音楽を聴きに出かけるようになった。

ある日はCasa de la musicaでサルサを聞いて夜中まで踊り、またある日はLa sora y el cuervoというジャズバーでRoberto Fonsecaの余りにも独創的なライブを見て全身に鳥肌を立てた。

毎日毎日、「今日はどこへ行こうか、どんなジャンルを聞こうか。」

レッスンの復習をしながら、そんなことばかり考える日々だった。




晦日の日には、Palacio de la Rumbaというライブハウスに50人以上のパーカッショニスタが集結するフィエスタがあると聞いて、行ってみることにした。

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6時オープンで、そこから3時間はずっとサルサが流れるサルサテカ状態。

ステージ前に設けられているスペースでずっと沢山の人が踊っていた。

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みんな上手い!

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私も色んな人と話し、目が合えば踊った。

キューバ人はもちろん、メキシコ人、ドイツ人、この日だけで10人近くの人と踊った。

こんな感じでライブが始まる前から、もうすごい熱気に包まれていた。

そして、9時過ぎにようやくライブが始まった。

キューバに来て初めて聞くようになったルンバ。

奴隷として連れてこられたアフリカ人が信仰するサンテリーア(ブードゥーと呼ぶ国もある)の宗教音楽から派生したアフロカルチャーの色が極めて濃い音楽。

複雑なパーカッションのリズムに、時に祈りのような、叫びのようなボーカルが重なる。




持って行かれる。



この言葉が一番しっくりする気がする。

もう、全部持って行かれてしまうのだ。

気が付くと、そのリズムが自分の体の中から鳴っているのか何なのかがわからなくなる。

自分がどこにいて、今なにをしているのかもわからなくなるような。

そんなライブが4時間も続いた。

もちろん私だけじゃなく、キューバ人も他の観光客もみんなみんなリズムの波で泳いでいた。

トイレに一人で行くのもままならないおばあちゃんまで、スカートをたくしあげ、両手を振り上げ、イスを掴んで踊っていた。

言葉通り、全身全霊で、音楽と一体になろうとしているみたいに見えた。

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圧倒された。

音を楽しむことへの余りの貪欲さに、私は感動という言葉だけではおさまり切らない感情を覚えた。



キューバ、凄過ぎる!



また、さっきまで席で一緒にお喋りしていたおじいちゃん達は、いつの間にかステージで叩き、そして歌っていた。

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一曲が終わるごとに物凄い拍手を受けている。

すごい人だったんだ。

「キューバでは、物凄いミュージシャン達が普通にその辺を歩いている。」

そう友人から聞いていた言葉を思い出した。

キューバ人の音楽にかける情熱を全身で感じ、興奮のいつまでも冷めない体で、夜中一時半ごろカサに帰った。




玄関の鍵を開けリビングに入ると、なぜかランプだけが点いていた。

おかしい…今日は私の他に誰もいないはず。

静かに辺りを見回してみると、なぜか隣の部屋で半裸のキューバ人男性が眠っているではないか。



えぇ…。



ちょっと恐ろしい気持ちで、どうしようかと思ったのだけれど、あんまりにもすやすや寝ているようだったので、近づいて見てみることにした。

恐る恐る暗がりの中、顔を覗き込んでみる…。





こらーーーーーーーーーーー!



あんたかーーーーーーーーーーーい!





ラファエルだった。

なぜだかさっぱりわからないけれど、そのパンツ一丁の男性は確かにラファエルだった。

びっくりしたやん、と思って一息つき、「ま、いいか。キューバ人だもんな。」とよくわからない納得をして、私はすぐにベッドに潜り込んで眠った。



その夜は、踊り狂うおばあちゃんの夢を見た。

夢の中でも、彼女は両手を振り上げて、体全部を使って踊り続けていた。

「踊ることと、生きることは同じなんだよ。」と言われているような気がした。




翌日目が覚めると、ラファエルが朝食を作ってくれているところだった。

もちろん、パンツ一丁だったけれど。



彼氏か!!!



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コメント(2件)

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おばあちゃんの写真やばすぎじゃろー!笑
たのしんどるね!!
サンディー
2012/01/30 01:04
>サンディーさん
頭ふりみだしてる写真とかありますよ。ブレブレやったんでのせてないですけど。w
ほんと音楽好きな人は特に一回は行ってみて欲しいです。
かわちゃん
2012/01/30 01:37

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