かわちゃん紀行

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<<   作成日時 : 2012/01/29 00:58   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 2 / トラックバック 0 / コメント 4

目が覚めると、窓の隙間から幾筋も光が射していた。

もう朝になっていたらしい。

ベッドから起き上がって、通りに面した少し立て付けの悪い扉を開ける。

メキシコとは全然違う匂いがした。

そしてテラスに出て、初めて明るい光の下でキューバの街を見た。



目の前には古びたカラフルなコロニアル調の街並みが朝陽を受けて輝いていた。

通りには、朝から早口のスペイン語でおしゃべりしているキューバ人がいくつも輪を作っていて、奇抜な色をした古いアメ車がそのすぐ横を何台も通り過ぎる。

この時ようやく、あぁ私はキューバにいるんだな、という実感を持つことが出来たように思う。



カサのママ(多分ラファエルのママ)が用意してくれた朝ごはん(キューバのカサパルティクラールは朝食込みが多い)を食べてからちょっと街を歩くことにした。

日中はじりじりと焦がされるように暑い。

歩いていると「リンダ!チーナチーナ!」、「リンダリンダ!」と声をかけてくる。

他の中米諸国の比じゃないくらいとにかく絡みたがるのがキューバ人みたいだ。



ちなみに、チーナというのは中国人の女の人(チーノが男性)という意味で、東アジア人に対しての呼びかけで使われたりする。

また、キューバ人でも目が細かったりすると、チーノとかチーナというあだ名をつけられたりもするらしい。

で、リンダというのはスペイン語で可愛いという意味で、とにかく視界に入った女の人は全員声をかけないと失礼みたいなキューバ人特有の呼びかけだ。

全部に返して行ったら、メインの通りをはしまで行くのに日が暮れてしまうだろう。

そんな感じ。

しかも、声を出さずに人を呼ぶ時には「プスプス」と強く息を吐いて相手を呼んだりする。

だから歩いていると、終始こんな感じの野次が両サイドから飛ばされることになる。



クバーノ1:「プスプス」
クバーノ2:「チーナチーナ!」
クバーノ3:「プスプスッ」
クバーノ4:「リンダリンダ!」
クバーノ5:「オジェ、リンダ!」
…∞



その上、目が合うとウィンクと投げキスの嵐。

ドがつくほどの絡みたがりばっかりである。



聞いていた以上にすごいのでびっくりしながら、まずは両替をしに行くことにした。

キューバには2つ通貨がある。

だから最初はややこしい。

簡単に言うと、一つは外国人用のCUC(クックとか、セウセと呼ぶ)、もう一つがキューバ人用のCUP(ペソクバーノ、モネダナショナルと呼ぶ)だ。

ホテルやカサ、外国人向けのレストランやタクシー、缶のドリンクやビールは基本的にCUCで支払わなくてはいけない。

その他のキューバ人が使うような食堂や、市場、キューバ人用タクシーなんかはモネダで支払うことが出来る。

モネダを上手く使うことが出来れば、高い高いと言われるキューバ旅行も実は結構安く済ますことが出来るのだ。
(今になってみれば、こうやってすらすら言えるけれど、この二つの通貨に到着後しばらくは悩まされることになるのだった…。)



当面の生活が出来るくらいの両替を済ましたところで、昨日満室だったカサへ遊びにいくことにした。

ここには日本語の情報ノートもあり、いつでも来ていいというキューバ人らしいオープンなカサらしい。

そこで情報ノートを読んでいると、数人の日本人の旅行者に出会った。

その内何人かで今日は美術館へ行くとのこと。

もちろん私もご一緒させてもらうことにした。



革命博物館のすぐ目の前にあるその美術館は結構な広さ。

離れたところにあるもう一つの美術館と併せた入場券を購入し、中に入る。

なぜか一番最初の展示スペースはとんでもない下ネタのみで構成されていて、キューバ芸術って…。と思ったことは言うまでもない。

その後は普通の絵画やオブジェなどが並び、見ごたえがあるを通りこして疲れちゃうくらいの作品の多さ。



(ま、まずい、全部同じに見えてきた…。)



なんて自分はセンスのない客なんだろと思っておそるおそる周りを見てみると、一緒に来てた人みんな結構同じテンション。



よし、もう出よう!



その後は、すでにチケットを買ってしまっていたこともあり、韓国人の女の子と二人だけでもう一つの美術館へ行くことにした。

いかにも歴史のありそうな重厚な建物の一部が美術館になっていて、内部もまた素晴らしい。

そして展示を見て歩いているとき、突然2メートル近くある黒人の係員から話しかけられた。

あれ、何かしたかな?と思い振り返ってみると彼はこう私に質問しているのだった。






「彼氏はいるのか?」と。






ええーーーーーーーー。

開口一番過ぎる…!







そして質問に答えると、次はこう言ったのである。






「踊るのは好きか?ちなみに俺は好きだ。だから今夜踊りにいかないか?」






ええーーーーーーーー!

なんでーーーーーーー?





その夜はみんなとの予定があったから、もし来たければ一緒に来ればいいとだけ伝えているのを見て、クバーナ(キューバ人女性のことね)スタッフ達は爆笑の渦に飲み込まれている。

何がそんなにおかしいのかと思うくらい、体を折り曲げて笑っている。

キューバ人はゲラ揃いのようだ。







わかっているとは思うけれど念のため言っておこう、ここは美術館である。







全員ノリが良すぎて、昔お世話なった近所のおばちゃんか!というくらい今度は私のことをバシバシしばきながら何か口々に話してくる。






クバーナA:「彼は優しいわよ〜、背も大きしさぁ!私は友達だから彼女にはなれないけどね〜、あははははは!」
クバーナB:「あら〜、彼のこといやなの〜?可哀相だからここで踊ってあげたら〜?はははは!」
クバーナC:「そうね!それがいいわ!」





え…。

ここで…?





こらーーーーーー、そこのクバーナCーーーーーー!!!





ここってことはさすがにないやろうと思っていたら、なんど展示スペースの真ん中で踊れ踊れコールが鳴り止まない状態になっているではないか。





まじか。





もう一度言っておこう、ここは美術館である。






【美術館は静かに見て周るもの】そんな日本(世界?)の常識は通用しないんだろう。

キューバ人にとっては、どこだってダンスフロアなんだ。

そしてとうとう私はその輪に出て行かざるを得ない状況となってしまったのだった。





もちろん、私は行った。

キューバ人の期待に応えるために。(キリッ)





踊りだすやいなや、やんややんやの大喝采。

こうして彼は記念すべきセグンド(2番目)となったのであった。





この日は、カサの鍵が開かずに閉め出されるというハプニングに無駄に2回も遭遇し、不憫に思ったその辺のキューバ人に飴をもらうというハートウォーミングなエピソードを経験した後、夜はみんなでミラマール地区にあるCasa de la Musicaというサルサテカ(サルサの演奏を聴きながら踊れて飲めるところ)にタクシーで行くことになった。

画像

(これがマキナと呼ばれるキューバ人用路線タクシーの車内。これは結構綺麗な方。)

画像

(ちなみにハムスターはビニール袋に入れて持って帰るそうだ。)

しかし、到着してみると随分人気のバンドだったらしくてオープン前に行ったにも関わらず今日はもう入れないとのこと。

粘ってみても全くだめそうだったので、残念だけど帰ることにした。

行きと同じくマキナというボロッボロの古いアメ車のタクシーを捕まえ、カサに戻っている途中急にスコールのような大雨が降り出してしまった。

窓際に座っていた私は、慌てて窓ガラスを閉じようとして取っ手を回した。

けれどいくら回しても窓は閉じることはなかった。



だって、そもそも窓ガラスなんてものは車に残っていなかったのだから。



しかもワイパーも無いときて、車はストップ。

よく見ると、車の内装はシートが残っている程度で、元々どんな風だったのか想像できないくらいのボロさだった。

窓ガラスなんてはまってるはずないか。

なんだかおもしろくなってきて、笑えてきた。

そうだった、キューバは物がないんだった。

アメリカからの経済制裁も続いているし、メインの産業は未だに砂糖で革命後一時期目指したモノカルチャーからの脱却からは程遠い状況にある。

商店に入っても、陳列されている商品はメキシコなどに比べると比較にならないくらい少ない。

だから、何か壊れても修理して使う。

修理できなくなっても使える間は使う。

そうだ、そういう国なんだもんな。

車内に容赦なく降り込んでくる雨で服はびしょ濡れ、雨が降り止むまで濡らされているしかない状態がしばらく続いた。



でも、これもまたキューバなんだ。



なぜかすごく楽しかった。

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
女一人旅のキューバもなかなか熱いね!!!

>キューバ人にとっては、どこだってダンスフロアなんだ。

これは名言
リオ
2012/01/29 01:34
>リオさん
東洋人のくせに踊れるってわかった時の彼らの反応はすこぶる良いですよ!w
ほんとキューバ人にはかなわないなぁって思いました。
かわちゃん
2012/01/29 02:19
あけましておめでとう( ´ ▽ ` )ノ
ものがないっていうのが逆にすごくステキやね\(^o^)/
けど、キューバって医療先進国で、世界から無償での医学部受け入れとかやってるんだよね!?
その後後進国への数年間の医療従事を条件に。
ものはなくても志や心意気、人生を楽しもうとしてる姿勢がステキや国やね♪( ´▽`)
たく
2012/01/29 09:44
>たくちゃん
あけおめー!
ほんと、素敵なところだよ。
そうそう。医療と教育の水準はかなり高いみたいよ☆
もっともっとキューバの素晴らしさを伝えたい!
かわちゃん
2012/01/29 10:41

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