かわちゃん紀行

アクセスカウンタ

zoom RSS ALL FOR YOU!

<<   作成日時 : 2012/01/28 08:22   >>

ナイス ブログ気持玉 8 / トラックバック 0 / コメント 7

それは私が18歳になってすぐの頃だった。

母親がある日突然、「あんたももう大人やし、これ読んでみ。」と一冊の本を私に手渡した。

そんなことは初めてだった。

素直に手に取ったその本は、モノクロの表紙で、一人の全く知らない男性が葉巻を手に笑っている写真だった。

よくわからなかったけれど、京都の大学に通っていた私は、通学時間の暇つぶしに読んでみようかと、学研都市線の電車の中でその本を開いた。



気が付けば、ページをめくる手が止まらなくなっていた。



私はあまりにもその人の人生に引き込まれてしまって、危うく大学前の駅を乗り過ごしそうになったことを覚えている。

結局授業には出ずに、正門を入ってすぐにあるカフェテリアでその本を読み続けてしまったあの日が、まるで昨日の様に思える。

これが私の、チェ・ゲバラとの出会いだった。







2011年12月26日。

メキシコユカタン半島に位置する一大リゾート地カンクンや、その近くのコスメル島、イスラムヘーレス島で海三昧だった日々に一旦終わりに告げて、私はバスでカンクン国際空港に向かっていた。

思えば、電車でゲバラの本を読み耽っていた18の時から、もう8年が経っていた。

今回の中南米旅行の最大の目的は、もちろんキューバ。

せっかく行くのだったら余すことなく楽しみたいと思って、準備はもう何年もかけてしていた。

この日の為に、キューバンサルサも1年半以上日本で習ってきたし、スペイン語もグアテマラで勉強して多少はわかるようになった。

日本で出版されているゲバラについての本は何冊も読んだし、彼にまつわる映画も観尽くしてきた。

まさに満を持してのキューバ入りだった。

8年間の思い続けた憧れの人に会いに行くような気持ち。

興奮と、期待と、不安が入り混じる。

中米で出会ったキューバ渡航済みの旅行者からは賛否両論の声を聞いていたし、何人かからは「そんなに期待しすぎたらがっかりするんじゃない?」と言われたりもしていた。

私はこれ程までに期待して、実際どう思うんだろう。

一ヶ月をどんな風に過ごすんだろう。

そんなことを考えていたら、気付くともうバスは空港に到着していた。





まずは、Eチケットとツーリストカード(ビザ)の受け取りをカウンターで済ませ、チェックインの列に並ぶ。

手渡された搭乗券の出発時刻は15時37分。

手元に持っているチケット受け渡し控えに印字されている出発時刻は14時37分。

なんだ、ディレイか。

そう思って、インフォメーションボードを見ると、出発時間は16時となっている。




え?


Por que?(なんで?)




スタッフに聞いてみても、生返事。




えぇ。

どういうこと?!




まぁ、とりあえず遅れるんだろうということで、チケットのゲート欄に記されている搭乗ゲートで待つことにした。

そして待つこと30分。




あれ?

…なんだか、少し様子がおかしい。




あれ?

何かおかしいよね。




いや、絶対おかしい。




だって、3時を過ぎているのに誰もゲートに集まって来ない。

飛行機は満員のはずだし、さすがに30分前にはみんな来るはず。





Por que?





慌てて人に聞いてみると、なんとチケットのゲート欄に印字されているのは座席番号で、座席欄に印字されているのがゲート番号とのこと…。




…なんでやねん。




まぎらわしいことこの上なし。

気を取り直して正しいゲートへ行き、搭乗インフォメーションのボードを再び見てみると、またしれっと全然違う出発時間が記載されている。




もう、どないなっとんねん。




そう心の中で呟きつつ、搭乗開始予定時刻までまだ少し時間があったのでコーヒーでも飲みに行くことに。

コーヒー一杯くらいはカフェで飲んでいけるくらいの時間の余裕はあったのだけれど、なんとなく旅人の感というか、嫌な予感がしてすぐにゲートに戻ることにした。




…やっぱり。

予感は的中、なんと搭乗が始まっていたのである。





どないなっとんねーーーーん。





優雅にコーヒーを飲んでいたらえらいことになってたなと思いつつ、すぐに列にならび飛行機に乗り込む。

程なくして、どの表示ともまったく違う時刻にクバーナ航空の飛行機はカンクンを飛び立ったのだった…。







やってくれるぜ、クバーナ。







こんな風にして、初々しくも純粋に思い続けた8年の恋心をもてあそばれながら、私はキューバへと運ばれることになったのだった。



そしてカンクンを出発して2時間も経たない内に、私を乗せた飛行機はキューバ国際空港に無事到着した。



飛行機からターミナルに入る一瞬に見た、私が初めて見たキューバの景色は、紫色をした夕暮れだった。

とても、綺麗だった。



ターミナルの中に入ると、そこは革命カラーの赤を基調にして作られているようだった。

柱、イス、その他にたくさん赤が使われている。

これがキューバか。

テンションが静かに上がっていく。



入国審査では、あえてパスポートにスタンプを押して欲しいとお願いした。

キューバでは入国の際、通常ツーリストカードにしかスタンプを押さない。

理由は、アメリカ入国の際などにもめるからだと言われている。

だから係員は「なんで?本当に良いの?」と聞いてきた。

私の答えはもちろん、「Si!(イエス)」




もうアメリカ入国がメンドくさくなろうが、そんなことはどうでもいいんです。

もうなんだったら一生アメリカに入国できなくてもいいんです。

キューバという国は、もはやわたしの夢そのものだったんですよ。

だから、あえてスタンプ押して欲しいんです。




そんなことを心の中で祈りながら(別に拒否はほとんどされないらしいけど)、係員を見つめ返した。

次の瞬間、「ガシャン」という音と共に、ピンク色のキューバ入国スタンプが私のパスポートの最終ページに押された。









よっしゃーーーーーーーーーーーーー!!!


キューバ入国ーーーーーーーーーーー!!!!!









こうして私は終に8年の思いを実らせ、キューバに入国したのだった。

そして両替など必要最低限のことを空港で済ませた後、タクシーでハバナビエハ(旧市街)へ向かう。

キューバを象徴するような街灯の少ない暗い夜の道を20分程走っていると、左手にネオンの光が見えた。



よく見るとそれはカミーロだった。

ということは、ここは革命広場なんだろうか。

私は通り過ぎてしまう前にと、目を凝らしてカミーロのネオンのその奥を探した。



「あった!」



そこには何度も雑誌や本で見た通りのゲバラのネオンが輝いていた。

とうとう来てしまったと思った。

あの憧れのキューバに!

なんだか夢を見ているような気持ちだった。

もっと見ていたかったけれど、もう夜も遅かったからそのままタクシーに乗って、まずは中心部を目指した。




事前に安く、情報の集まるカサの名刺を友人からもらっていたので、そこに行ってみるとまさかの満室。
(※キューバ国内に外国人が滞在する場合、通常のビザだとホテル、もしくは一般人が国に許可をとって部屋を貸すカサ・パルティクラールという施設を利用しなければならない。)

ただ、そこのカサのオーナーがすぐに別のカサを紹介してくれることになり、2,3日だけハバナのメインストリートとされるオビスポ通りに近い所に滞在することになった。

シェアメイトとなる韓国人の女の子2人に連れていってもらい、夜のハバナを歩く。

首都なのに、聞いていた通り暗い。

けれど、女の子3人で歩いても問題のないくらい治安は良さそうだった。

なんだかんだで4ヶ月治安の悪い中米にいた私にとっては、夜遅く貴重品をかついで歩いて無事で済む町というだけで、それはそれは衝撃だった。

10分弱歩き到着した今宵のカサは、かわいらしいアパートメントタイプの宿だった。




荷物をほどきながらしばらく待っていると、オーナーの息子がなぜかDVDを持って登場。

「今日も音楽をかけるぜ!」みたいな感じで宿泊名簿に記帳を済ますやいなやプレーヤーの再生ボタンを押す彼、ラファエル22歳。

レゲトン(ジャマイカやキューバ、プエルトリコで流行っているレゲエ+ヒップホップみたいなジャンル)をかけながら一瞬でノリノリに。

体を揺らしながら、「これは●●っていうアーティストでさ、超よくてさ!」みたいな感じで説明をしてくれるラファエル。

そして、「ママには内緒ね!」と、チョコレートとパイナップルのリキュールをみんなに回しながら歌い始める彼。



こういうマイペースっぷり、嫌いじゃないよ!



というか、もう11時を過ぎているのにすごいボリュームで音楽を流している…。

日本で同じことやったら、すぐ警察来る確立100%

さすが、キューバ。



私はこの時初めてキューバ人の陽気さや、音楽好きなところに触れられたことが嬉しくて、なんだかすごく楽しくなってきていた。



いいやん、キューバ!



ちょっとお酒も入ったこともあり、しばらく上機嫌でみんなと音楽を聞いていると、ジャンルが変わってサルサが流れ出した。






キタキタキターーーーーー!!!






その瞬間、ラファエルは表情を読み取ったのか、「ユカリは踊れるの?」と言って左手を差し出した。

もちろん、「踊るよ!」と言って席を立つ私。




ついにこの瞬間がやってきた。

【祝!第一回キューバでキューバ人と踊るキューバンサルサ】

こういう場面の為に、結構厳しいレッスンを受けてきた。

到着初日で早速踊ることになるなんて、幸先いいやん!




そして私はラファエルと一曲サルサを踊った。




この瞬間から、革命の戦跡を辿るというメインテーマに対し、後にひそかに裏テーマとなる、

【一ヶ月でキューバ人100人斬り(ダンスで)に挑戦!プロジェクト】が幕を開けたのだった。






次回へ続く。

月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 8
ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス
面白い 面白い 面白い

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(7件)

内 容 ニックネーム/日時
待ってましたー\(^o^)/
キューバ編楽しみにしてます(^o^)
カナ@元鎌ゲス
2012/01/28 13:30
>カナちゃん
ありがとー!
カオサンGHの元スタッフの女の子と偶然ハバナで会ったよー!
かわちゃん
2012/01/28 15:47
8年も思い続けてのクーバ!
旅行はそうやっていかなくちゃあね。
そりゃ8年の思い人の初対面が紫色の夕暮れにもなるわ。
私の思い国はエストニアとラトビア!
キューバいいなあ。楽しんできてね
ふま
2012/01/28 16:29
めっちゃ楽しみにしてました!キューバンサルサの戦い、続きが気になる…
しいちゃん
2012/01/28 17:41
>まさあきさん
そうなんです!どんだけ恋焦がれてきたことか…。
もう大好きすぎて狂いそうです。w
エストニアってあんまり聞かないですけど、良かったんですね☆チェックしてみます^^

>しいちゃん
ありがとー!続きは後ほど☆
かわちゃん
2012/01/29 00:03
いいなー
俺もパスポートにスタンプを押してもらえば良かった
ツーリストカードに押してもらうと、出国の時にカードを改修されて、キューバ滞在期間がなぜか「空白」になっちゃう。
リオ
2012/01/29 01:39
>リオさん
でしょでしょー!
思い出のスタンプです^^
アメリカ入国でいじめられようが、もうどうだっていい!って気持ちでした。
かわちゃん
2012/01/29 11:28

コメントする help

ニックネーム
本 文
ALL FOR YOU! かわちゃん紀行/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる